めっきに関して
2013/09/12
防食めっきは、装飾めっきと並んで、めっき技術の原点である。
実用的な金属素材である鉄・アルミニウムなどは構造物や
機械部品、あるいは身近にあるものまで幅広く利用されて
いるが、素材を「錆」から守るため何らかの表面処理が施され
ている。
その一つの方法として、古くから防食性、場合によっては
装飾性を兼ね備えた方法として、電気めっきあるいは化成処理
などの手法が利用されている。
(1) 腐食と防食
鉄鋼材料をはじめアルミニウムやマグネシウムなどの実用
金属材料は、構造材料や生活に密接した用途に幅広く用い
られている材料である。
これらの金属は元来、酸化物や硫化物として鉱物中に存在し、
莫大なエネルギーを用いて金属状態へと還元している、
いわば準安定な状態にある。
そのため、これらの材料を環境中へ放置すると、表面の変色
あるいは材料の浸食が起こる。金属腐食による経済的損失は
我が国だけでも年間数兆円と言われている、
腐食対策は極めて重要な技術である。
腐食現象を理解するとともに腐食を考えるうえで、電気化学の
知識は不可欠である。
金属の腐食は、金属がそれを取り巻く環境(空気中、水中、
土壌中など)によって、化学的あるいは電気化学的な反応を
伴って浸食される現象のことである。
腐食は構成される金属材料と環境で分類すると無限の組み合
わせがあるように思えるが、我々の身の回りの腐食環境を考え
ると、基本的な2種類の電気化学反応式で記述することが
できる。
電子を放出しながら進行する金属の溶解反応(アノード反応)
と酸化剤で電子を受け取る還元反応(カソード反応)が、表面
の任意の場所で同時に起こることによって腐食反応は進行
する。
これらの反応式は以下のようになる。
(アノード反応)M→Mn++ne-
(カソード反応)O₂+2H₂O+4e-→40H-
(中性またはアルカリ性溶液中)
( 2H++2e-→H₂(酸性溶液中)
さらに、金属は電子伝導体であるため、アノード部から
カソード部に電子を移動する役割を果たす。
腐食反応系はこれらの循環回路とみなすことができる。
これを腐食電池(Corrosion Cell)あるいは局部電池
(Local Cell)という。
防食とは、アノードおよびカソード反応を抑制する。
すなわちこれらの反応の一部あるいは全部の反応速度を低下
させ、この循環回路を断ち切ることに他ならない。
電気めっきや化成処理などの表面処理による防食は、古く
から利用されてきた防食技術の一つである。
参考文献 めっきのトラブルシューティング 日刊工業新聞社