めっき一筋型破り革命児

       

めっきに関して

2013/09/10

クロムめっき加工処理の不良原因について

【クロムめっきの不良原因】

クロムめっき(装飾クロムめっき)は、装飾めっきの最外層の
めっきとして、あるいは工業用クロムめっき(硬質クロムめっき)
として広く用いられている。

クロムは、イオン化傾向の大きな金属(電位の卑な金属)で
あるが、空気中の酸素で、透明でかつ緻密な酸化皮膜
(厚さ約5nm)を瞬間的に形成することにより、貴な電位を示す
耐食性の優れた皮膜になる。

また、皮膜が硬く、耐摩耗性に優れているので、装飾めっきでは、
光沢ニッケルめっき上に厚さ0.1〜0.5μm施されている。

硬質クロムめっきでは、素材の摩擦、摩耗から護るために、
数μmから50μmくらいの厚さのめっきを行っており当然
不良原因も変わってくる。

装飾用のクロムめっきでは、光沢、被覆力、耐食性などが重視
される。
そのため、これらの関連する不良が多く、特に、クロムめっきが
ニッケルめっきに比べて被覆力が劣ることから、クロムめっきの
付き回り不良が多く発生する。

光沢ニッケルめっき上にクロムめっきされるために、クロムめっき
問題がある場合とニッケルめっきに問題がある場合がある。

クロムめっき浴に問題がある場合も、ニッケルめっき浴の
持ち込みによる硫酸根、塩化物イオンの増加による影響が多く、
どちらかというとニッケルめっきに影響される不良であると言える。
また、ニッケル表面の状態よる不良が多く発生する。

これは、クロムめっきは水素過電圧の影響を受けやすく、ニッケル
表面の酸化皮膜のわずかな変化がクロムめっきの析出に影響
するからである。

例えば、水洗水中の放置時間が長い、水洗槽に空気撹拌が
行われている、ニッケルめっき浴中の光沢剤成分が多い、
あるいはニッケルめっき浴中の光沢剤成分の分解生成物量
が多くなっている、などがこれらの主な原因である。
 
硬質クロムめっきでは、硬さ、耐摩耗性、均一電着性、電流効率
などが重視される。
クロムめっきは、浴温度、電流密度により外観、硬さに大きな影響
を及ぼす。硬さの高い、外観が優れた厚いクロムめっきを得るため
には、めっき浴の温度を均一にすることが必要である。

硬質クロムめっき槽は、大きな浴容量のめっき槽が多く、めっき槽
の浴温度を均一にするためには、緩やかな対流を行い、そのため
にはめっき浴の濾過が必要である。

常時濾過を行わないと、製品の加工時に付着した鉄素材の粉末、
陽極で生成するクロム酸鉛の沈殿などが付着してザラが生じやす
くなる。

50μm以上の厚いクロムめっきを得たい場合には、清浄なめっき浴
で、浴中の三価クロムと鉄分の濃度が10g/L以下の浴でめっきを
行うことが必要である。

また、硬質クロムめっきは、前処理として、溶剤による拭き取り脱脂
して、陽極エッチング処理を行い、めっきされている。
したがって、素材に合う陽極エッチング処理が重要であり、硬質
クロムめっきのノウハウの一つである。

できれば、浸漬脱脂、電解脱脂を組み込めばより安定した陽極
エッチングが出来る。

【参考文献 めっきのトラブルシューティング 日刊工業新聞社】